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アーキテクチャ アンド アレコレ
No  19

CHANEL MOBILE ART

chanel mobile art 1  chanelmobileart2

先月、代々木公園特設会場にて、「CHANEL MOBILE ART」を体験してきました。
シャネルの象徴、キルティングバッグを起点にイメージした建築・アート・ファッション、
その融合を、渡されるMP3からの音声に導かれつつ楽しむアートイベントで、
香港をスタートに日本に訪れ、この後アメリカやヨーロッパを回るという巡回展です。

昨年お台場にやってきたコンテナ空間「ノマディック美術館」も、世界各国を巡回する
アートパビリオンでしたが、それがGregory Colbertという写真家の作品を「鑑賞する
展示室」だったのに対し、こちらは「五感で体験するアート・アトラクション」という感じ。
作品は著名だがカタログでも分かる従来の美術展とも違い、行き甲斐がありました。

MP3が鑑賞者の動きと時間を支配する強制性ゆえに、各人の感じ方の差異が
かえって表れ、前後の鑑賞者のリアクションを客観的に楽しんだり出来ました。


ところでこのパビリオン、世界的な女流建築家、ザハ・ハディド氏の設計です。
イメージがずっと前からあり、それを望むクライアントやそれを実現する技術が後から
やってきたという異色の建築家。そういうオリジナリティは格好いいし大好きです。

僕が大好きとか平気で言うのは、自分の追いつけない先を行く巨匠か、自分と全く
異なるスタイルの人かだけ。横並びで称えあってる流行建築には興味がありません。
デザイン風なモノを纏い、ソレ風な街に集うチープなお洒落が、逆に画一性という名の
ダサさに陥る危険と一緒で。(「太縁メガネ+i-pod+中目黒」みたいなムズ痒さ…)

そんな僕も施主の要望を叶えるのがやっとで、大した独創性も出せていませんが、
やはり作り手としては、例えそれがどんなに僅かな差異であろうと懸命に追い求め、
一見分かりにくくても、「売れる流行」より「残る違い」を大切にしていきたいものです。

それがひいてはクライアントにとっての「価値」ともなるのではないかと思うのです。

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