No 213
Date 2009・09・27・Sun
安藤事務所プチOB会 からかつて安藤事務所の同僚で、現在ノルウェイのSNOHETTAという事務所に在籍中の
友人(ドイツ人)が来日するというので、同時期在籍した元スタッフで飲みました。 5人のOBのうち、ある者は某市の都市整備局に、ある者はゼネコンの設計部に、 ある者はなんと不動産業界に…と、たまたまその中で国内独立組は僕だけでした。 「意外といろんな進路を見出すものだなぁ」と思ったり、「まあそうか」と思ったり。。 ドイツ人の彼も、「とても今の日本では独立なんて考えられない」と言ってましたが、 建築設計に対する我国での文化意識や位置づけは、未だに相当低いですからね。 安い原価に高い広告費用が乗った『疑似スタンダード住宅』が街を埋めていますが、 大手ハウスメーカーが安心で、そこに“上質が存在する″とすら思われている国で 設計事務所を起し、続けているのは、かなり奇跡的なんだろうと改めて思いました。 “コンクリート(土木や建築)からヒト(福祉やサービス)へ″の標語は立派ながら、 「ハコは全部だめ、全てヒトへ」っていう新与党のAll or Nothing 的な方向転換は、 「『悪いコンクリート(無駄な工事)』と『良いコンクリート(有益な計画)』の見極めが 難しくて出来ない」という放棄、「まして国民に分かるわけがない」という愚弄ですが、 先のような日本の現状に照らせば、一方で言い返せないのも事実かもしれません。 選挙で替わった首長が、既決の設計コンペの審査結果を白紙に戻すなんて市町村は さらに悲惨ですが、市民側まで「新しいものは全部不要」とそれに賛成してしまう 思考停止国家では、文化の成熟はおろか、日常を支える産業も続かないでしょう。 どういうものが必要で内容に見合う価格か?または高いけど上質か?本質的か? そんな面倒だけど大切な見極めを、僕ら独立した設計者を使ってでも消費者が行い、 同様に国でも市でもハウスメーカーでも、全ての供給者に求めて欲しいと思います。 スポンサーサイト
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