No 9
Date 2008・02・15・Fri
続・卒業制作から(…続きです)
バブル期の各地建設ラッシュとバブル崩壊の反省の矛先は、「ハコモノ行政」 として真っ先に建築に向けられ、今なお悪役業界扱いが続いています。 (安易な投資計画とその企画者が根本原因なのに。偽装は論外ですが…。) 業界自体の学者や批評家も、建築で街をおこす/人を呼ぶ…ということは無理、 あるいは難しいという見地が主流になりつつあります。 (学生にはいつも言うのですが)用途と場所の組み合わせが悪かったり、規模と 運営の調整が不十分なら当然のことであり、「駄目な建築が必然的に廃れた」 ことが「建築に力が無い」と誤解されているとするなら残念なことですが、 そうした結果我々建築家の活躍の機会が減らされているのは、 考えないで作った建築家達の“身から出たサビ”であることも否めません。 僕らはそうした先輩達のまいた種のハンデを背負ってスタートし、 今後は自分達でイメージを改善していかねばならないのです。 ・歴史風土・社会問題に向き合う文系的な教養と、 ・構造や光熱環境などを取り扱う理系的解析力、 ・造形・配色の良否等を判断する芸術的センス の全てを総合的に学んでいきつつ、ようやく身につけていく建築家の職能を、 ケンチクオタク的な抽象二次元遊びや、俗っぽいTV向け小知恵の切り売りで、 学生もプロも、自らおとしめている場合じゃありません。 敷居は高くてはいけないが、識見や目標が低いのは、もっといけないのです。 卒業制作は、「どんな建築を建てるか・ビルディングタイプを選ぶか」ではなく、 「建築設計という技術をどう社会に還元できるか・発揮できるか」という観点で、 今後のそれぞれの食いブチを確保すべく考えてみて欲しいし、 それを自由に考えられる機会を最大限楽しんでくれればと思うのです。 : 明日土曜日、製作した学生の発表とそれに対する講評を1日かけて行います。 彼ら自身の意見を聞き、僕らも正面から前向きな提言が出来れば…と思います。 スポンサーサイト
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